WHAT’S CLUB TEAM?

はじめに

茅ヶ崎サザンカイツは現在、社会人硬式野球クラブチームというカテゴリーに属して、硬式野球を真剣に楽しんでおります。

ただ、学生野球やプロ野球といったカテゴリーと比べ、社会人硬式野球クラブチームというカテゴリーはメディアへの露出も少なく、その実情が中々わからない方も多いかと思います。

そこで創部5年目を向かえた今、文字通りゼロから立ち上げた茅ヶ崎サザンカイツというチームを通して様々な経験をしてきたことから、出来る限りの部分について、クラブチームの実情について紹介したいと思います。

なお、これはあくまで茅ヶ崎サザンカイツを通して知った実情となります。チームや地域によってはこれから挙げていくこととは、ずれが生じることもあるかと思いますが、クラブチームの実情を知る、という意味でご参考いただければ幸いです。

①そもそも社会人硬式野球クラブチームとは?


(写真:日本選手権神奈川県二次予選vs東芝/JABA関東クラブ選手権大会vs茨城ゴールデンゴールズ)

社会人硬式野球クラブチームというカテゴリーは、中々メディアで取り上げられることも少ないため、果たしてどのような人が所属しているのか、ご存知でない方が多いと思いますので、最初にその根本となる部分から挙げてみたいと思います。

まず日本の社会人硬式野球クラブチームの多くが日本野球連盟(JABA)に所属しています。サザンカイツも創部してから2年間はJABAへの加盟をめざし活動を続けていました。そこでまず、人が集まらなければ野球はできないので、JABAにおけるクラブチームの定義と登録できる選手、スタッフを下記に挙げてみます。

  • 会社等の法人が加盟登録していないチーム (日本野球連盟登録規定3条より)
  • 加盟チーム及び競技者は義務教育を終了した者でなければいけない。 (日本野球連盟登録規定第5条より)

学生は自分の通う学校の野球部に所属していないこと、外国人や元プロ選手は登録枠があるなどの規定がありますが、上記規定以外は特に大きな規定は存在しません。また性別の規定もないので、高校野球では禁止されている女性選手の公式戦出場も可能です。

だからこそ現在社会人野球というカテゴリーに属しながらも、メンバーの多くが大学生で構成されているサザンカイツの大会への参加も認められているのです。そういった意味でもJABAに所属するクラブチームの部員は、高校生から40歳以上の選手までおり、その選手達が同じグラウンドで1つのボールを巡って、一喜一憂しながら真剣に硬式野球を楽しんでいる、硬式野球を愛する者にとって非常に開かれた組織であると言えます。

一方、同じJABAに所属するチームでも、上記クラブチームとは登録形態が違うチームも存在します。神奈川の場合、現在、新日本石油ENEOSさん・三菱重工横浜さん・東芝さんという3チームがこれに該当し、これらのチームは選手・スタッフの全員が同一企業内に勤務する(例外もあり)、企業登録されているチームになります。

これらのチームに入部するためには、野球部入部を前提とした社員として採用される必要があり、自由に入部を申し込むことは出来ません。また出場できる大会もクラブ登録のチームとは大きく異なります。恐らく「社会人野球」と聞いてピンとくる方の多くは、この企業登録されているチームをイメージする方が多いのではないかと思われます。

クラブチームにおける企業チームとの対戦は、基本的に試合を勝ち抜いていくことで実現しますが、特に神奈川では、日本を代表する企業チームと県大会の段階で対戦できるチャンスがあります。

そしてサザンカイツより先にJABAに加盟して活躍されていたクラブチームも高いレベルの実力を備えており、学生野球の時と同様、またそれ以上の非常に緊迫した、レベルの高い真剣勝負の野球を楽しむことができます。

そのようなことから、クラブチームに所属し活躍する選手やスタッフの多くは、野球に対しての意識は非常に高く、「まだまだ野球を上手くなりたい」「レベルの高い相手と試合をして勝ちたい。」という考えをもちながら、日々練習に励んでいるため、球場に来て軽くキャッチボールをしたら試合をやって、試合が終わったらさっさと帰る、といったいわゆる草野球感覚のチームは今まで見てきた限り、存在しません。

②社会人クラブチームの1年

次に社会人硬式野球クラブチームの1年の流れについて紹介します。

ここで挙げるスケジュールはあくまで茅ヶ崎サザンカイツにおける1年の流れであり、他チームとは異なるかと思われます。(特に企業チームや県外チーム)

また、今後公式戦の日程やチームの方針に変更があった場合は随時調整が入る点をご承知下さい。

1月冬期練習
2月実践練習、オープン戦(県内・県外問わず各地にて ~11月まで随時)
3月JABA春季神奈川大会(サーティーフォー保土ヶ谷球場等)
4月実践練習、オープン戦
5月全日本クラブ選手権神奈川県予選 兼 都市対抗野球大会神奈川県1次予選(サーティーフォー相模原球場等)※都市対抗野球大会西関東予選 (横浜スタジアム)
6月※中部謙吉杯(神奈川工科大学KAITスタジアム)
7月※都市対抗野球大会本大会(東京ドーム)※全日本クラブ選手権関東予選(球場未定)
8月JABA関東連盟クラブ選手権大会神奈川県予選(サーティーフォー相模原球場等)
9月※全日本クラブ選手権本大会(西武ドーム)
10月※さいたま市長杯選抜クラブ対抗野球大会(県営大宮球場・市営大宮球場など)
※JABA山梨県知事杯争奪クラブ野球関東甲信越大会(小瀬球場・櫛形球場など)

※JABA関東連盟クラブ選手権大会(関東地区球場)
11月※日本選手権大会本大会(京セラドームなど)
12月総会・納会
  • 赤字の大会が現時点で必ず参加するJABA公式戦
  • ※がついているものは各予選に勝ち抜いた場合や前年度のポイント順位に応じて参加となる
  • その他に神奈川県野球協会からの推薦による地方大会へ出場することもあります。
  • 神奈川県以外の都道府県の大会を更に知りたい方は日本野球連盟のHPをご参照下さい。

上記の公式戦で勝利することがどのクラブチームでも目標となり、そのために各チームはオープン戦や練習を重ねています。 なおサザンカイツの場合は3・8・9月は週4日の活動となり、平日でもオープン戦を組むことがあります。

神奈川県のクラブチームの場合、赤字の大会を勝ち抜いた場合に進出出来る上位大会は以下の通り。

※2012年度の場合でかっこは上位大会にすすめるチーム数

都市対抗野球大会神奈川県1次予選(4)
→都市対抗野球大会西関東予選(2)→都市対抗野球大会本大会
全日本クラブ選手権神奈川県予選(2)
全日本クラブ選手権関東予選(4)全日本クラブ選手権本大会
JABA関東連盟クラブ選手権大会神奈川県予選(1)
→JABA関東連盟クラブ選手権本大会

各チームの方針により、目標の設定の違いはあるかと思いますが、多くのクラブチームは全日本クラブ選手権を最も権威のある大会と定め、チーム力のアップに日々努めています。※ JABA山梨県知事杯争奪クラブ野球関東甲信越大会・さいたま市長杯選抜クラブ対抗野球大会は関東クラブ選手権大会神奈川県予選1位・2位チームが出場

またJABA春季大会や都市対抗野球では、上位進出出来れば企業チームとの対戦もあり、特に神奈川の場合、日本有数の企業チームとの対戦が県大会の段階でできるといった楽しみもあります。

なお、上位大会に勝ち進めなかった場合には、オープン戦や練習といった形で次の大会に備え、週末を中心にスケジュールを各チーム組んでいくのが一般的です。

企業チームの場合は都市対抗野球が恐らく応援の数やメディアへの露出度から考えると、最も権威ある大会ととらえてよいのではないかと思います。

特に神奈川の場合は、企業チームはどのチームも本大会で優勝できる実力を持っているため、一球一球白熱した戦いが、県予選の段階から見られるということで、横浜スタジアムに多くの観衆を集め、企業チームの華やかな応援合戦も繰り広げられます。

クラブチームはそういった企業チーム相手にどこまで食い下がることができるのか、また番狂わせを起こせるかが目標となってきます。


写真:2010年JABA春季神奈川大会準々決勝 VS東芝@横浜スタジアム

③社会人硬式野球クラブチームの活動内容

社会人硬式野球クラブチームに所属している選手の多くは仕事や学業の合間に練習や試合をする、といった形で硬式野球を楽しんでおります。そういったことからも、選手達は、野球にかけられる時間が学生チームや企業チームと比べ、かなり制約された状態で参加せざるを得ない状態です。よっていかに上手に時間を使って、効率よい活動ができるか、といった点が学生野球やプロ野球以上にチーム力を上げていく重要な要素になると言えます。

また、サザンカイツをはじめとする首都圏の多くのチームは、専用グラウンドを持ち合わせておらず、公営野球場や高校、大学、企業のグラウンドの空きを確保しての活動となります。なので、確保はもとより、時間帯も自由にならず、時にはバッティングが自由にできないグラウンドやキャッチボールすらままならない場所で練習をしなくてはいけないこともあります。

また場所を求めて、県内はもとより、県外にも遠征をして試合や練習を重ねていくチームがほとんどです。そして、各自が仕事や学業があり様々な状況を抱えチームに参加しているため、全員が揃って活動できることはほとんど皆無に近く、その日に参加できる選手に応じて活動内容を考慮しなければいけない、といった制約があります。

ただ、逆に言えばより効率的な練習を、全体練習ではもとより個人練習でも行わなくてはいけない状況下のため、より一つ一つのプレーを大切に考えて工夫する力が備わる、また試合においては仕事などで参加が限定されるメンバーもおり、レギュラー固定難しいため、出場チャンスが必然的に増え、そしてベストメンバーを毎回組めないという状況を各チーム抱えているので、チームの選手層を厚くしなくては、大会を勝ち抜くことができません。

なので、勝ち上がるためにも、自分はもとより、選手同士でお互いの実力アップをはかる必要があるため、先輩、後輩のよい関係が築きやすい(年齢差20歳以上の選手同士が同一チームでプレーすることもざらです)など、厳しい環境の中でも、他の組織には見られない、クラブチームならではの良い点も挙げられます。

現在、サザンカイツにおいては普段の活動は、15~20名くらいのメンバーで活動することが多く、またメンバー構成から、平日の活動も比較的しやすい状況にありますが、基本的に活動にはメンバー、場所、お金が常につきまとってくる、というクラブチームならではの悩みはチームの活動を続けていく限り消えないものでしょう。

ただ、サザンカイツのメンバーは、そんな苦難をを乗り越えるだけの体験を、創部以来何度も味わっており、そして今後もそんな野球に魅了されるため、今日もそしてこれからもサザンカイツは活動を続けていくことでしょう。

サザンカイツの主な練習場
・茅ヶ崎公園野球場

さいごに

以上、まとまりに欠ける文章ではありましたが、簡単にクラブチームとは?といった部分を紹介させていただきました。

また追加・修正等が必要であれば追加していきますが、更に詳しい話を知りたい方は、こちらのフォームよりお問い合わせ下さい。

よろしくお願いいたします。